ABU(アブ)ブレーキ ブロック 代用の決定版!自作素材の選び方と加工手順
アブガルシア(Ambassadeur)等の遠心ブレーキ用ブロックを紛失・破損した際、使い切ったボールペンの芯・電線の被覆チューブ・プラモデルのランナーで安全に代用できます。
特に外径2.5mm〜3.0mm前後のボールペン芯は、純正品に近い寸法と適度な耐摩耗性を備えており、緊急時の補修素材として非常に扱いやすい選択肢です。
ただし、自作パーツは素材の密度や摩擦特性が純正品と異なるため、適切な切り出し精度や面取り加工、定期的な摩耗確認を怠ると、キャスト時のバックラッシュやサイドカップ内部の焼き付きを引き起こします。
この記事では、代用可能な素材の比較から、具体的なカット手順、事故を防ぐためのリスク管理まで、安全な運用方法を順を追って解説します。
アブガルシアのブレーキブロック代用素材3選と適性比較
アンバサダー(4600C、5500Cなど)の遠心力ブレーキは、スプール回転時にパーツがサイドカップ内のブレーキプレートに擦れ合うことで制動力を発生させます。耐熱性・加工性・寸法の安定性から、代用素材としては使い切りのボールペン芯が第一候補となります。
代用可能なおすすめ素材一覧
| 素材 | ブレーキ力 | 耐久性 | 加工のしやすさ | 特徴・適性 |
| ボールペンの使い切り芯 | やや強い | 高い | 簡単 | 最もおすすめ。内径がピンに合いやすく、樹脂が肉厚で熱変形に強い。 |
| 電線の被覆(PVCチューブ) | 強い | 中程度 | 非常に簡単 | 摩擦係数が高めでブレーキが強く効く。微調整しやすいが摩耗は早め。 |
| プラモデルのランナー | 弱い〜中 | 高い | 難(穴あけが必要) | 硬質ポリスチレン。ピンバイス(1.0〜1.5mm)での正確な貫通穴あけが必須。 |
自作ブレーキブロックの切り出し・加工手順
最も加工精度を出しやすい「ボールペンの芯」を使用した作成手順です。
用意するもの
使い切ったボールペンの芯(外径2.5mm〜3.0mm程度のプラスチック製)
精密カッターまたはデザインナイフ
ノギス(またはミリ単位の定規)
細目ヤスリ(紙ヤスリ400番〜800番)
加工の3ステップ
内径の適合確認
カット前に、ボールペンの芯をリールのブレーキピンに直接差し込みます。
引っかかりなくスムーズに滑り落ち、極端なガタつきがない状態を確認してください。きつすぎる場合は、ピンバイス等で内径をわずかに調整します。
正確な長さで直角にカット(目安:2.0mm〜3.0mm)
純正パーツの長さに合わせ、カッターの刃を垂直に当てて切り出します。
切断面が斜めに傾くと、プレートとの接触が偏り、制動力が不安定になります。
バリ取りと端面の面取り
切断面に残った樹脂のバリをヤスリで慎重に削り落とします。
プレートに当たる角部分をほんの少し削って丸みを持たせると、滑らかな回転が得られます。
運用数値とトラブル例
14g前後のルアーを用いた試投においては、2.5mm長さにカットしたボールペン芯ブロック2個の配置で、純正品と同等のキャストフィーリングが得られます。
一方、軟質ポリエチレン製のチューブを流用した場合、高速回転に伴う摩擦熱で内径が広がり、キャスト中にピンから脱落してサイドカップ内で噛み込む事象が発生します。自作時には耐熱性と硬度のある硬質プラスチック素材を選定してください。
アンバサダー(4600C / 5500C等)のブレーキブロックの外し方と注意点
年代やモデル(2500C、4600C、5500Cなど)によってピンの構造が異なります。無理な負荷をかけるとピンが曲がり、スプール軸の精度を損なうため手順を守って作業します。
旧型(ピンから抜き取るタイプ)
ブレーキピンの先端からまっすぐ外側へ引き抜きます。固着している場合はラジオペンチなどで直接挟まず、ピンの根元に薄い爪楊枝などを当てて押し出します。
現行・可動式(爪で固定するタイプ)
指の腹でパーツを少し外側に開きながらスライドさせて外します。無理に引っ張ると樹脂製のツメが破損するため、爪の先で静かにロックを解除します。
※2500C等のクラシックモデルと、近年の6点式遠心ブレーキでは、ピンの太さ(径)が異なります。必ず手元のリールに合わせて現物合わせで微調整してください。
代用・自作パーツを安全に運用するための3つの注意点
自作パーツの使用には、構造上のリスク管理が必要です。リール本体への負担を防ぐため、以下の点を守って運用してください。
摩擦熱による変形リスク
高速回転時の摩擦熱で耐熱性の低いプラスチックが軟化すると、スプール軸やプレートに付着して回転が停止する恐れがあります。熱に強い硬質素材を使用してください。
釣行ごとの定期チェック
純正品よりも摩耗が早く進みます。釣行前後はサイドカップを開け、パーツの減り具合や変形の有無を確認してください。
キャストフィーリングの変化
素材の自重が変わると遠心力の働き方が変わります。軽すぎる素材は制動力が不足してバックラッシュの原因となるため、ブレーキ個数を調整してバランスを取ります。
なお、加工の手間や摩耗リスクを避けたい場合は、市販の「社外製マグネットブレーキユニット」を取り付けてマグネット方式に変換するのも安全で確実な手段です。
免責事項
自作・代用パーツの使用はメーカー保証の対象外となります。パーツの加工や取り付けはリール本体の状態を確認しながら自己責任で行ってください。
よくある質問(FAQ)
Q1. 100円ショップの材料でもブレーキブロックは作れますか?
100円ショップで販売されている綿棒のプラスチック軸や、使い切りボールペンの芯がそのまま利用できます。外径と内径がブレーキピンに適合するか、事前に差し込んで確認してください。
Q2. 代用ブロックにオイルやグリスを塗る必要がありますか?
原則として油脂類は塗布しません。オイルが付着すると摩擦係数が大幅に低下し、ブレーキが効かなくなります。プレート表面とブロックは常に乾いた清潔な状態を保ってください。
Q3. 純正ブレーキシューはどこで入手できますか?
釣具店のパーツ取り寄せサービスや、アブガルシア公式のパーツ注文取扱店、一部のチューニングパーツ専門店で注文可能です。確実な性能を求める場合は純正パーツの定期購入をおすすめします。
まずは手元にある使い切りのボールペン芯と精密カッターを用意し、1個だけ2.5mm長さに切り出してブレーキピンへの通り具合を確認してください。