アルトギターの弦がない?プライム弦で代用する手順とチューニングの注意点
クラシックギター合奏や練習の直前に「アルトギターの弦が切れてしまったけれど、予備の専用弦がない」という状況に直面することがあります。
結論からお伝えすると、アルトギターの弦は通常のクラシックギター(プライムギター)の弦(1弦〜5弦)で代用可能です。
この記事では、代用する際の具体的な弦の組み合わせやチューニング方法、弦切れや楽器の負担を防ぎながら正しくセットアップする手順を分かりやすく解説します。
【結論】アルトギター弦はプライムギター弦で代用可能!組み合わせ一覧表
要点まとめ
アルトギターの弦は、通常のクラシックギター(プライムギター)弦の「1弦〜5弦」を位置に合わせて1音・1本ずつずらして張ることで代用できます。
アルトギターは一般的なギターよりも本体が小さく、チューニングが「完全5度高く(1弦がB音)」設定されています。手元にアルト専用弦がない場合は、プライムギター用の弦を以下のように対応させて装着します。
| アルトギターの弦 | 代用するプライムギター弦 | チューニング音(アルト) |
| 1弦 | プライム1弦(またはハイテンション1弦) | B(シ) |
| 2弦 | プライム1弦 | F#(ファ#) |
| 3弦 | プライム2弦 | D(レ) |
| 4弦 | プライム3弦 | A(ラ) |
| 5弦 | プライム4弦 | E(ミ) |
| 6弦 | プライム5弦 | B(シ) |
プライムギター用の「6弦(一番太い弦)」は使用せず、1弦〜5弦のみをそのまま1つずつ高音側にシフトして使用するのがポイントです。
なぜ代用できる?アルトギターとプライムギターの「弦長」と「音程」の違い
アルトギターは弦を張る部分の長さ(弦長)が約530mmと、通常のギター(約650mm)に比べて10cm以上短く設計されています。
弦は「張る長さが短くなるほど、同じ太さでも音が高くなる」という性質を持っています。身近な例で表現すると、小さく伸ばした輪ゴムは高い音が鳴り、大きく伸びた輪ゴムは低い音が鳴るのと同じ仕組みです。
弦長が短いため、本来よりやや太いプライムギターの弦を使っても、適正な音程まで安全に調律できます。
代用弦を使用する際のメリットと知っておくべき限界
手軽に試せる代用方法ですが、専用弦と比べるといくつか違いが生じます。
指にかかる張力(テンション)が少し緩くなる:全体的に弦の張りが柔らかくなり、押さえやすくなります。
音色が落ち着いたトーンになる:アルトギター特有の華やかで伸びやかな高音に比べ、丸みのある落ち着いた音色に変化します。
1弦の巻き上げ時に負荷がかかる:1弦のみ「プライム1弦を通常通りの高音Bまで巻き上げる」ため、テンションが高くなり断線しやすくなります。
合奏の練習や急な応急処置としては十分な役割を果たしますが、本番の演奏や本来の鮮やかな響きを求める場合は、早めに専用弦へ張り替えるのが望ましい選択です。
プライムギター弦をアルトギターに張る具体的な3ステップ
プライムギター弦を使って安全に取り付ける手順を順番に説明します。
ステップ1:必要な弦(1〜5弦)を選別する
プライムギター弦のセットから1弦〜5弦を取り出します。アルトギターの6弦にはプライムの5弦を使用するため、一番太い「プライム6弦」は今回は使用しません。
ステップ2:ペグ軸への巻き付け時にゆとりを残す
アルトギターはヘッドまでの距離が短いため、プライム弦を使うと長さがかなり余ります。
ペグ(巻き取り軸)の穴に弦を通したら、指3本分ほどのたるみを持たせた状態で結び目を作り、巻き取りを始めてください。 巻き数が数回確保されることで、調律後の音程が安定しやすくなります。
ステップ3:音を上げるときは少しずつ馴染ませる
特に1弦(B音)を合わせる際は、一気に巻き上げると摩擦熱と急激な張力で切れやすくなります。目標の音程の手前で一度止め、数分間置いて弦を馴染ませてからゆっくり音を合わせると安全にセットできます。
弦の切れ防止とブリッジ・ナットを保護するコツ
代用弦(特に低音側の巻線)は本来のアルト弦よりもわずかに太いため、楽器本体に負担をかけないためのひと工夫が有効です。
ブリッジ(弦留め)側にチップを活用する:結び目が滑り出るのを防ぎ、木製ブリッジの角が擦れるのを防止できます。
ナットの溝に鉛筆の芯を塗る:ヘッド側の白い溝(ナット)に太い弦を通す際、あらかじめ鉛筆の芯(黒鉛)を少量塗っておくと、滑りが良くなりスムーズに調律できます。
よくある質問(FAQ)
Q1. アルトギターの1弦にプライム1弦を張ると切れやすくなりませんか?
A. アルトの1弦(B音)は高音まで巻き上げるため、他の弦に比べて負荷がかかります。一気に巻かず、少しずつ伸ばしながら馴染ませて調律することで断線を防ぎやすくなります。
Q2. クラシックギター以外の弦(アコースティックギター用など)も代用できますか?
A. アコースティックギター用の金属弦(スチール弦)は張力が強すぎるため使用できません。楽器の破損につながる恐れがあるため、必ず「ナイロン製のクラシックギター弦」を使用してください。
Q3. 代用弦のまま長期間使用しても問題ありませんか?
A. 練習用としては問題なく使用できますが、本来の音色や張力バランスとは異なるため、専用弦が入手でき次第張り替えることを推奨します。
次にとるべきアクション
まずは手元にあるプライムギターの「1弦〜5弦」を用意し、上記の対応表に合わせて1本ずつ慎重に交換を進めてみてください。
音出しが完了したら、今後の弦切れに備えて「アルトギター専用弦」をオンラインショップなどで1セット購入しておくと、次回からも安心して演奏を続けられます。