アクリル絵の具・ガッシュのパレット代用10選 & 固まらない自作ウェットパレットの作り方!

「アクリル絵の具を始めてみたいけれど、専用のパレットは後片付けが大変そう……」

「アクリルガッシュを普通のプラスチックパレットに出したら、乾いて固まって取れなくなってしまった!」

このようなお悩みはありませんか?

アクリル絵の具(アクリルガッシュを含む)は、乾くと水に溶けなくなる「耐水性」が最大の魅力ですが、その反面、一度パレットの上で乾燥するとガビガビにこびりついて落ちないという厄介な性質があります。

本記事では、「本当に使いやすい代用パレット10選」を、メリット・デメリット、注意点とともに徹底解説します。後半では、「絵の具が何日も固まらない魔法のウェットパレット」を100均グッズだけで自作する方法もステップ形式でご紹介します。

そもそもアクリル絵の具のパレット代用に求められる3つの絶対条件

水彩絵の具の感覚で代用品を選んでしまうと、「絵の具が使えなくなった」「机が汚れた」といった失敗の原因になります。安全かつ快適に描くために、以下の3つの条件を満たすものを選びましょう。

  • 非吸水性(水分を吸わない)であること

    アクリル絵の具の水分が吸い取られると、乾燥が急激に早まり、筆が乗らなくなります。

  • 「完全使い捨て」または「乾燥後に剥がせる」こと

    ゴシゴシ洗って絵の具のカスを排水口に流すと、環境に悪影響を与えるだけでなく、排水管の中で固まって詰まりの原因になります。後片付けの安全性が重要です。

  • 色が正確に分かる「白」または「透明」であること

    絵の具を混色する際、土台に色や柄がついていると、キャンバスに塗ったときに「思っていた色と違う」という失敗が起こります。

アクリル絵の具・ガッシュのパレット代用アイデア10選

1. 食品用ラップ(+平らな皿や段ボール)

【手軽さ:★★★★★ / 混ぜやすさ:★★★☆☆】

白いお皿や硬めの段ボールに、食品用ラップをピンと張るように巻いて使います。

  • ポイント: 後片付けはラップをペリッと剥がして丸めて捨てるだけなので、文句なしに一番楽です。ただし、ナイフや硬い筆(豚毛など)で強くガリガリ混ぜると、ラップが破れて下のお皿が汚れることがあるため、優しく混色するのがコツです。

2. 牛乳パック(洗って開いたもの)

【手軽さ:★★★★☆ / 混ぜやすさ:★★★★★】

内側がポリエチレンでコーティングされているため、絵の具の水分を一切吸いません。

  • ポイント: 厚みがあって安定感抜群です。筆圧が強くてもビクともせず、非常に混ぜやすいです。1面にたくさん色を出せるので、大きめの作品を描くときには重宝します。使い終わったらそのまま可燃ゴミへ。

3. 陶器のお皿(白い小皿やタイル)

【手軽さ:★★★☆☆ / 混ぜやすさ:★★★★★】

100均の白い陶器皿や、余った建築用タイルなどをパレットにします。

  • ポイント: 「アクリルは固まると取れないのでは?」と思われがちですが、つるつるした陶器表面なら、【完全に乾ききった後】であれば、端からペリペリと気持ちよく剥がせます。 乾く前の半乾き状態で洗おうとすると泥沼になるので、あえて一晩放置して完全にプラスチック化させてから剥がすのが、綺麗かつ安全に使い回す裏技です。

4. アルミホイル

【手軽さ:★★★★☆ / 混ぜやすさ:★★☆☆☆】

ラップと同様に、不要な厚紙などに巻いて使います。

  • 注意: ラップよりも形状が固定しやすいメリットはありますが、筆で混ぜるときに「カサカサ」と金属音が鳴るのが好みを分けます。また、強くこするとアルミの銀色が僅かに絵の具に混ざって濁ることがあるため、アクリルガッシュなどの繊細な不透明色を扱う際はあまりおすすめしません。

5. クッキングシート(シリコン加工紙)

【手軽さ:★★★★☆ / 混ぜやすさ:★★★★☆】

お菓子作りに使うシリコンコートされた紙です。

  • ポイント: 絵の具を適度にはじきつつ、染み込まないので非常に優秀です。机の上にマスキングテープで直に貼り付けて使うこともできます。後述する「固まらないパレット」の表面シートとしても必須のアイテムです。

6. プラスチックの食品トレー(肉・豆腐のパック)

【手軽さ:★★★★★ / 混ぜやすさ:★★★☆☆】

しっかりと洗って乾燥させた白色のプラスチックトレーです。

  • ポイント: 深さがあるトレーは、水を多めに使ってシャバシャバした表現(ウォッシュ技法)をしたいときに、絵の具が外に垂れなくて便利です。ただ、軽いので筆で混ぜるときにトレー自体が動きやすいです。下に濡れ雑巾などを敷いて固定すると扱いやすくなります。

7. クリアファイル(白色の紙を中に挟む)

【手軽さ:★★★★☆ / 混ぜやすさ:★★★★☆】

使わなくなったプラスチック製のクリアファイルを適当な大きさにカットします。

  • ポイント: そのまま使うと下が透けて色が見にくいので、中に「コピー用紙(白)」を1枚挟むのがコツです。驚くほど色が見やすくなります。使用後は、陶器皿と同じく完全に乾かせばペリペリとめくって捨てられます。

8. 100均の紙パレット(ペーパーパレット)

【手軽さ:★★★★★ / 混ぜやすさ:★★★★★】

ダイソーやセリアなどの画材コーナーにある、冊子状になった使い捨てパレットです。

  • ポイント: 代用品ではなく専用品ですが、100円で20〜30枚入っておりコスパが良すぎるので選択肢として外せません。表面のオイル加工が絶妙で、筆の引っかかりが無く最も描き心地が良いです。手に入るならこれが一番ストレスフリーです。

9. 100均の使い捨てプラスチック皿(BBQ用など)

【手軽さ:★★★★★ / 混ぜやすさ:★★★★☆】

数部屋に仕切られているタイプのプラスチック皿です。

  • ポイント: 中央に大きな混色スペースがあり、周囲に小さな部屋があるタイプ(仕切り皿)を選ぶと、チューブから出した原色と、混ぜた色が混ざらずに美しく整理できます。紙皿の場合は「簡易防水加工」が弱いと水分を吸うので、プラスチック製を選ぶのが安全です。

10. 100均の珪藻土コースター + ラップ

【手軽さ:★★★☆☆ / 混ぜやすさ:★★★★☆】

平らな珪藻土(または大理石風)コースターにラップを巻く方法です。

  • ポイント: 代用パレットの弱点である「軽すぎて動く」を、コースターの自重で完全にクリアしてくれます。ズッシリと安定した状態で、キャンバスに向き合うことができます。

各代用パレットの特性・比較一覧表

代用アイテム水分の保ち混色のしやすさ片付けの安全性・手軽さコスト筆者の総合おすすめ度
食品用ラップ△(乾きやすい)〇(破れに注意)★★★★★(捨てるだけ)ほぼ0円〇 気軽さ重視
牛乳パック★★★★★★★★★☆0円◎ 迷ったらこれ
陶器のお皿★★★★★★★★☆☆(完全乾燥後)0円〇 本格派向け
クッキングシート★★★★☆微々たるもの〇 ウェット用に
100均紙パレット★★★★★★★★★★110円★★★★★ 最高品質

【実践】アクリル絵の具が数日間固まらない「ウェットパレット」の作り方

アクリル絵の具やガッシュは、数十分放置しただけで表面が乾いて膜を張ってしまい、絵の具が無駄になりがちです。「乾燥を遅らせて、じっくり時間をかけて制作したい」という時に、プロのモデラーや画家も自作しているウェットパレット(保湿パレット)の安全な作り方を解説します。

1. 準備するもの(すべて100均・家庭にあるものでOK)

  • 浅めのフタ付きプラスチックタッパー(密閉できるものがベスト)

  • キッチンペーパー(厚手で破れにくいもの、または薄手のスポンジ)

  • クッキングシート(シリコン樹脂加工のもの)

  • 清潔な水

2. 作成手順(ステップ形式)

【ステップ1】土台をセットする

タッパーの底に合わせて、キッチンペーパーを3〜4枚重ねて敷きます。

【ステップ2】水を優しく注ぐ

キッチンペーパーが「ひたひた」になるように水を注ぎます。タッパーを少し傾けた時に、水がドボドボと溢れない程度(ペーパーが限界まで水分を吸っている状態)がベストです。

【ステップ3】クッキングシートを重ねる

タッパーのサイズに合わせてカットしたクッキングシートを、濡れたペーパーの上にそっと重ねます。中に気泡が入ったら、指の腹で優しく外側に押し出してください。

【ステップ4】完成

クッキングシートの上に、アクリル絵の具を少量ずつ出して使用します。

⚠️ 安全・衛生のためのアドバイス:

クッキングシートは「水分子そのものは通さず、湿気(蒸気)だけを通す」という特殊な性質を持っています。そのため、絵の具が下から常に加湿され、驚くほど長持ちします。

ただし、夏場などは放置するとカビが繁殖する原因になります。 描き終わってフタを閉めれば翌日〜3日ほどは絵の具を柔らかく保てますが、衛生安全上、数日ごとにペーパーと水は取り替えてください。

学校の水彩パレットは絶対NG!よくある失敗例とリスク回避

最後に、初心者が最も陥りがちな失敗と、それを防ぐコツをまとめました。

小中学校で使う「プラスチック製水彩パレット」は絶対に使わない

最も多い失敗が、「子供が学校で使っている水彩パレットを借りてアクリル絵の具を出す」ケースです。

水彩パレットの「色を出す小さな仕切り(部屋)」にアクリル絵の具が入り込んで固まると、プラスチックの分子と強固に結合し、洗剤やお湯を使っても二度と綺麗に落とせなくなります。 大切な道具を壊さないためにも、アクリルには必ず上記で紹介した「使い捨て」か「フラットな面(剥がせる素材)」を使ってください。

万が一、お気に入りのパレットや衣服に付着した場合は?

もし乾いてしまった場合は、市販の「アクリル絵の具専用クリーナー(剥離剤)」を使用するか、家庭にある「消毒用アルコール(エタノール)」を浸したティッシュでしばらくパックすると、絵の具がふやけて落としやすくなります。

(※アルコールを使用する際は、換気を良くし、火気の近くでは絶対に作業を行わないでください。また、素材によってはパレット自体が変色するリスクがあります。)

まとめ:あなたの制作スタイルに合った代用品を選ぼう

アクリル絵の具・アクリルガッシュのパレット代用は、「手軽さ(使い捨て)」をとるか、「乾燥の遅さ(ウェットパレット)」をとるかで選ぶのが正解です。

  • 数十分の軽いお絵描きや、子供の工作なら 「ラップ+お皿」「牛乳パック」

  • グラデーションをじっくり作り込んだり、数日かけて大作を描くなら 「自作ウェットパレット」

身近なアイテムを賢く安全に代用して、後片付けの手間なく、自由でクリエイティブなアートの時間を楽しんでくださいね!

参考文献・資料

  • 独立行政法人 製品評価技術基盤機構(NITE)「化学物質の安全な取り扱いについて」

  • 一般社団法人 日本塗料工業会「水性アクリル樹脂塗料の乾燥メカニズムと特性」

  • ホルベイン画材株式会社「アクリル絵具の基礎知識・取り扱い上の注意」

  • ターナー色彩株式会社「アクリルガッシュ・メディウムの特性とパレットのお手入れ」

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