揚げ物バットは買わなくていい!家にある代用アイデア7選と100均商品の選び方
「今から唐揚げやトンカツを作りたいのに、揚げ物用のバットがない」と焦る必要はありません。
結論から言うと、揚げ物バットは家にある「網」や「お皿」、そして「アルミホイル」の組み合わせだけで完璧に代用できます。 専用の道具を買い足さなくても、油をしっかり切って衣をサクサクに仕上げることは可能です。
ただし、代用する方法を一歩間違えると、揚げたての熱と蒸気がこもって衣がベチャベチャになったり、高温の油によって思わぬトラブルが起きたりすることも。
この記事では、調理科学の視点をもとに、「今すぐ家にあるもので、安全かつお店レベルのサクサク感をキープできる代用アイデア」を紹介します。
【結論】揚げ物バットは「立体感を作るモノ+クッキングシート」で完全に代用可能
揚げ物バットの役割は、「落ちた油が衣に逆戻りするのを防ぐこと」と「下から水蒸気を逃がして蒸れを防ぐこと」の2点だけです。この2つの条件さえ満たせば、専用の金属バットである必要性はどこにもありません。
特に優秀なのが、「高低差(立体感)を作れるモノ」と「油を吸うシート」の組み合わせです。
よく「お皿にキッチンペーパーを敷くだけ」で済ませる人がいますが、これはおすすめできません。揚げたての水分がペーパーに吸い取られた後、その湿ったペーパーに揚げ物が密着し続けるため、数分後には底が確実にフニャフニャになります。また、お皿に熱がこもることで水蒸気が水滴に戻り、衣をふやかしてしまう原因にもなります。
後述する代用アイデアを使えば、この「蒸れ」と「油の逆戻り」を安全に回避できます。
今すぐ実践!揚げ物バットの代用アイデア7選(おすすめ順比較)
家にあるアイテムを使って、今すぐ実践できる代用方法をまとめました。それぞれの特徴を比較表で確認し、キッチンの状況に合わせて選んでください。
独自の代用アイデア比較表
| 代用アイテム | 手軽さ | サクサク度 | 片付けの楽さ | 安全性への配慮 | おすすめ度 |
| 1. 魚焼きグリルの網 | ★★★★★ | ★★★★★ | ★★★☆☆ | 高温でも安心安全 | No.1(一番サクサク) |
| 2. トースターの天板+シート | ★★★★☆ | ★★★★☆ | ★★★★☆ | 耐熱性抜群 | 高バランス |
| 3. 平皿+くしゃくしゃホイル | ★★★★★ | ★★★★☆ | ★★★★☆ | 安定した場所に置く | 手軽さ重視 |
| 4. 牛乳パック+ペーパー | ★★★★☆ | ★★★☆☆ | ★★★★★ | 引火に注意(火気厳禁) | ゴミ箱へ直行可能 |
| 5. 新聞紙+クッキングシート | ★★★★☆ | ★★★☆☆ | ★★★★★ | インク移りを完全防御 | 大量調理用 |
| 6. ケーキの冷却網 | ★★★☆☆ | ★★★★★ | ★★★☆☆ | 耐熱温度を確認 | 網があれば優秀 |
| 7. 金属製のざる | ★★★★☆ | ★★★★☆ | ★★☆☆☆ | ※プラ製は絶対NG | 形状に注意 |
1. 魚焼きグリルの網(再現度No.1・一番サクサク)
最もおすすめなのが、コンロについている「魚焼きグリルの網」を取り出して使う方法です。
使い方: シンクや大きめのお皿、または新聞紙の上にグリル網を直接置きます。その上に揚げたてのカツなどを並べます。
メリット: 本物の揚げ網と構造が全く同じなので、下から空気が通り、100%サクサクが維持できます。金属製のため、揚げたての高温(約180℃)に対しても絶対的な耐熱性があります。
デメリット: 使用後に網を洗う手間が発生します(ただし、魚を焼いた後のように油が焦げ付くわけではないので、洗剤でサッと流すだけで綺麗になります)。
2. オーブントースターの天板+クッキングシート
オーブントースターに付属している四角い金属製の天板も、立派なバットになります。
使い方: 天板にクッキングシート(またはキッチンペーパー)を敷き、その上で油を切ります。
メリット: フラットで面積が広いため、唐揚げなどを一気に並べられます。元々加熱調理用なので耐熱性は万全です。
デメリット: 網のように下からの通気性はないため、後述する「波型に変形させる工夫」をしないと、少し底が湿気りやすくなります。
3. 平皿+くしゃくしゃにしたアルミホイル
特別な道具が一切ない時の救世主がこれです。
使い方: アルミホイルを一度手でギュッと「くしゃくしゃ」にしてから、少し広げて大きめの平皿に敷きます。その上に揚げ物を置きます。
メリット: ホイルのランダムな凹凸(山と谷)ができることで、揚げ物が直にお皿に触れず、落ちた油が「谷」の部分に溜まります。
デメリット: 凹凸が浅いと、大きなトンカツなどの場合は重みで潰れて油が逆戻りすることがあります。お皿が熱を帯びやすいため、耐熱性の高い厚手のお皿を使用し、安定した場所に置いてください。
4. 開いた牛乳パック+キッチンペーパー(処分が最も楽)
「とにかく洗い物を増やしたくない!」という時におすすめです。
使い方: 綺麗に洗って完全に乾かした牛乳パックを開き、内側(白い面)を上にして置き、その上にキッチンペーパーを敷きます。
メリット: 牛乳パックの内面コーティングが油を完全にブロックするため、調理台が汚れません。使い終わったらペーパーごと丸めてゴミ箱にポイするだけです。
デメリット: 見た目がスマートではないため、食卓にそのまま出すのには向きません。また、紙製のためガスコンロの近くなど火気のある場所の近くには絶対に置かないでください。
5. 新聞紙+クッキングシート(大量調理用)
コロッケや天ぷらなど、大量に揚げ物をする際に真価を発揮します。
使い方: 新聞紙を数枚重ねて敷き、その上に必ずクッキングシート(またはキッチンペーパー)を重ねて使います。
メリット: 新聞紙の圧倒的な吸油力・吸水力で、油が外に染み出しません。
デメリット: 新聞紙のインクが食品に移るのを防ぐため、また衛生面を担保するためにも、直接揚げ物を置くのは厳禁です。必ず上に1枚シートを挟んでください。
6. ケーキ・お菓子の冷却網(ケーキクーラー)
お菓子作りが趣味の人限定ですが、実は非常にクオリティが高い代用品です。
使い方: お皿やトレーの上にケーキクーラーを載せて使用します。
メリット: 脚がついているタイプの網が多く、下部にしっかりとした空間(空気の通り道)ができるため、本物の揚げ物バット以上の通気性を発揮します。
デメリット: 表面にプラスチックやシリコンの塗装・コーティングが施されている製品の場合、揚げたての高温で傷む可能性があるため、事前に耐熱温度を確認してください。
7. 金属製のざる(※プラスチック製は変形・溶解の危険あり)
茹で物や野菜の水切りに使う金属製のざるです。
注意点: プラスチック製のざる(ポリプロピレンなど)は絶対に使用しないでください。 揚げたての油の温度(160℃〜180℃以上)は、一般的なプラスチックの耐熱温度(約120℃〜140℃)を超えるため、枠が溶けたり変形したりして、食品に物質が移るリスクや火傷の危険があります。必ずステンレスなどの金属製を使用してください。
使い方: 受け皿となるお皿の上に金属ざるを重ねて、中に揚げ物を入れます。
メリット: メッシュ構造なので油切れ自体は非常に良いです。
デメリット: 丸型で底が湾曲しているため、揚げ物が重なり合いやすく、重なった部分が蒸れてふやけやすいという弱点があります。
ダイソー・セリアの100均「揚げ物専用バット」を買うべき人と不要な人の境界線
「ダイソーやセリアで100円(または200円〜300円の補正商品)で網付きのバットが売っているし、買った方がいいのかな?」と迷う人も多いはず。
現在の大手100円ショップ(ダイソーなど)では、「ステンレスバット」と「専用の網」が別売り、あるいはセットで展開されています。サイズもコンパクトなものから標準サイズまで揃っていますが、「週に1回以上揚げ物をするか、一度に大量に揚げるか」が購入の境界線になります。
買って損しない人(購入を推奨)
家族が多く、一度に2枚以上のトンカツや、大量の唐揚げを揚げる。
週に何度も揚げ物メニューが登場する。
代用品を毎回セットしたり、新聞紙やホイルを消費したりするのが逆に面倒。
買うとゴミになる人(代用で十分)
一人暮らし、または2人暮らしで一度に揚げる量が少ない。
揚げ物は月に1〜2回程度しかしない(または基本は惣菜を買う)。
キッチンの収納スペースが狭く、これ以上モノを増やしたくない。
100均のバットは安価で優秀ですが、網とバットの隙間(高さ)が狭く、油が大量に溜まるとすぐに底についてしまう製品もあります。たまにしか使わないのであれば、わざわざ収納を圧迫する専用品を買うより、「魚焼きグリルの網」をサッと使う方が場所も取らず、機能的(高さがあるため油切れが良い)にも上です。
代用油切りで「衣がベチャッとする」のを防ぐ3つの安全鉄則
バットの代用品を使用する際、調理科学に基づいた「ひと手間」を加えるだけで、衣のサクサク感が劇的に長持ちします。安全かつ効果的な3つの鉄則です。
① ペーパーやホイルは「蛇腹(じゃばら)」に折る
天板や平皿にシートを敷くときは、そのままペタッと平らに敷いてはいけません。
シートやアルミホイルを扇子のようにアコーディオン状(山折り・谷折り)に折り目をつけて、少しバネのように浮かせた状態で広げて敷いてください。
[アルミホイルを波型(蛇腹)に折る手順]
平らなホイル ⇒ 山折り・谷折りを繰り返す ⇒ ʌʌʌʌʌ(この上に揚げ物を置く)
こうすることで、揚げ物とシートの接触面積が最小限になり、間に「空気の層」が生まれます。水蒸気が下に抜けるため、驚くほどベチャつきを回避できます。
② 揚げ物は「重ねず、立てて」並べる
唐揚げなどを山積みにすると、上の揚げ物の重みで下の衣が潰れ、さらに上から落ちる油と内側から出る蒸気をダイレクトに浴びてしまいます。
代用バットの上に並べるときは、「お互いが接触しないように、少し隙間を空けて立てかけるように置く」のが鉄則です。
[配置イメージ:唐揚げを重ねず立てて並べた様子]
○ ○ ○ (NG: 山積みに重ねる)
───────
/ / / (OK: 斜めに立てかけて隙間を空ける)
───────
③ 最初の1分は「油切りのためだけに」触らない
鍋から引き揚げた直後の揚げ物は、内部の水分が急激に外へ向かって蒸発している状態(一番蒸気が出ている状態)です。
油から上げたら、まずは代用網の上に置き、最低でも1分間はそのまま動かさずに放置して内部の水分と油の対流を落ち着かせてください。
「早く油を吸い取らなきゃ」と焦って、熱いうちにペーパーで全体を包み込んだりすると、内部から出た自分の蒸気が中に閉じ込められ、衣が全滅してしまいます。また、高温のうちは衣が柔らかく剥がれやすいため、触らないことが衣のキープにも繋がります。
参考文献
一般社団法人 日本調理科学会 編「調理科学の事典」
消費財安全基準・各種プラスチック(ポリプロピレン・ポリエチレン)の耐熱・耐油性特性データ
主要100円ショップ(ダイソー等)キッチン用品・ステンレス製品仕様一覧
Next Step:今すぐキッチンで試してみよう
まずは、今夜のキッチンで「魚焼きグリルの網」を取り出し、その下に新聞紙(またはお皿)を1枚敷いてみてください。
専用のバットを買いに走らなくても、驚くほどカラッと油が切れ、サクサクの唐揚げやカツが仕上がる感動をすぐに体感できます。