レモンの皮の活用法 レンジ掃除以外の使い方

古代エジプト人は食品の防腐剤としてレモンを利用していました。
現在でも酢と重曹に次いでオーガニック洗剤消臭剤として利用されています。

有名なのは電子レンジの掃除ですが、それ以外にも様々な用途があります。





1 洗浄・研磨

・台所掃除(シンク、キッチンカウンター、ガスレンジ、食器洗い)
・拭き掃除(冷蔵庫内、電子レンジ、オーブン、窓、机、床、畳)
・お風呂掃除(浴槽、洗面器、タイル壁)
・靴の汚れ落とし
・落書き落とし
・染み抜き(衣類、絨毯)
・磁気用クリーナー
・野菜、果物の洗浄

2 消臭・脱臭

・トイレ掃除
・ルームスプレー
・衣類の洗濯

3 殺菌・抗菌

・消毒(布巾、雑巾)
・殺菌(台所用品)
・カビ予防(水回り全般)

こうした効果を発揮するのはレモンの皮に以下の成分が含まれているためです。


クエン酸

レモンの酸味のもとで水まわりの掃除に有効な成分です。
酸性度が高く殺菌・抗菌作用と脱臭効果に優れています。

シトロネラ

柑橘類の香りのもとである精油成分です。
殺菌作用があります。

ペクチン

柑橘類の皮の白い部分に含まれている食物繊維です。
掃除においてはコーティング作用の効果を発揮します。

リモネン

シトロネラと同じく柑橘類のエッセンシャルオイルです。
シミと油汚れを落とす効果があり、その豊かな香りで臭いも消してくれます。
天然の溶剤と呼ばれ、市販の台所洗剤にも「オレンジ成分」として配合されています。


これらの成分は汚れを落とすほかに自然な香りがルームフレグランスになります。
洗剤の薬品臭や、お酢の匂いが苦手な人には特に適しているでしょう。

かび臭いところを拭けば脱臭と殺菌の効果を発揮します。
農薬やワックスを落とすために野菜洗剤として使うのもおすすめです。

こうした生ごみを活用する掃除はエコで節約にもなり、石二鳥と言えるでしょう。
ただしリモネンは、その性質から皮脂を分解して手荒れの原因となります。

ポリスチレンなど一部のプラスチックや樹脂も溶かすため、扱いには注意が必要です。
掃除をする前に酸に弱い材質(大理石など)でないかを確認してください。

次に、そうした注意点も踏まえて掃除のやり方を説明していきます。

油汚れの掃除


電子レンジオーブンは、噴きこぼれ油分で思いのほかに汚れています。

湯気の水分は蒸発しますが、湯気に混ざっていた油は付着したまま残ります。
それがあのべたつきの正体で、放っておくと更に油が重なり汚れの層を形成します。

そこでレモンの皮の漂白効果油を分解する作用を利用しましょう。
堆積した頑固な汚れには効果が薄いですが、軽い油汚れであれば落とせます。

何より拭き掃除するとレモンの香りで庫内を消臭することができます。
特に臭いが残りやすい肉や魚を加熱した後の掃除におすすめです。

更に皮脂による手垢や油性インクを落とすこともできます。
調理油に留まらず、様々な油汚れの掃除に重宝します。

電子レンジ


レモンを電子レンジで加熱するとリモネンを含んだ蒸気が庫内に充満します。
この状態で暫く時間をおいてから拭き掃除をするときれいになります。

以下はTwitterでも話題になった漫画『汚物は消毒です』で紹介されていた方法です。

<用意するもの>

水 適量
レモン 1個か1/2個
耐熱容器
雑巾

軽度の汚れであれば絞った後の皮だけでも十分です。
ただしリモネンの量が減っているため、少し多めに用意しておくと良いでしょう。

耐熱容器ガラス製のボウルでもマグカップでも構いません。
電子レンジ対応の素材でできたものなら何でもOKです。

雑巾はマイクロファイバーか、使い捨てができるキッチンダスターがおすすめです。

やり方 その1

半分に切ったレモンを500W2分加熱。

レモンはそのままレンジに入れて大丈夫です。
しかし耐熱皿に乗せた方が加熱後に取り出しやすいでしょう。

温めたレモンを取り出したら、電子レンジの中を水拭きしてください。

汚れがひどいところは取り出したレモンで擦り、再び水拭きします。
仕上げに乾拭きで水気を取りましょう。

これとは別に、搾り汁を利用する方法もあります。

やり方 その2

水で満たした耐熱容器にレモンの搾り汁と搾った後の皮も入れます。
搾るのが大変な時は、輪切りにするか細かく切った皮を入れてください。

それをラップをかけずに電子レンジで沸騰するまで加熱します。

600Wであれば4~5分が目安です。
噴きこぼれても後で拭き取るので気にしないでください。

チンしたら、すぐには開けずに15分ほど放置します。

この間にリモネンの作用で庫内の汚れがふやけて浮いてきます。
また、時間を置くことで作業中の火傷を防ぎます。

庫内の熱が冷めたら水拭きです。
雑巾に先ほどの温めたレモン水を含ませると汚れ落ちの効果が倍増します。

固く絞った雑巾で水拭き、次に乾拭きの順で繰り返し掃除してください。
キレイになったらレンジの扉を開けたままにして内部を乾燥させましょう。

ガスコンロとオーブン


ガスコンロ周りの掃除もレモンがクレンザー代わりになります。
油汚れに少量の塩を振りかけた後、半分に切ったレモンの切り口を下にして擦ります。

皮の内側の白い部分で擦っても落ちます。
仕上げにタオルで拭き取ってください。

オーブンの場合は重曹も用意しておくと効率が良くなります。

レモン汁と重曹を混ぜたものをオーブン内の汚れに擦り込むように塗ってください。
その状態で15分置いた後に拭き掃除を行ってください。

皮脂汚れ


レモン汁には脱脂効果があり、皮脂汚れを落とすのにも役立ちます。

まず大さじ二杯程度のレモン汁ミネラルオイル洗剤を作ります。
二つの材料をスプレーボトルに入れて振るだけで出来上がります。

このスプレーを手垢のつきやすい場所に噴きかけて拭いてください。

【皮脂汚れが目立つ場所】

・畳
・ドアノブ
・フローリング
・冷蔵庫

スプレーを噴きかけた布でを拭くと黄ばみが落ちやすくなります。
定期的に拭くと黄ばみ予防になり、畳を養生することができます。

また家具の傷消しや革製品のツヤ出しにも使えます。

オリーブオイルとレモン汁を2:1の割合で混ぜた液で拭いてみてください。
オリーブ油がなければレモンの皮を浸けた水でも良いです。

それを清潔で柔らかい布に含ませて固く絞ってから拭きます。

特に木製の家具であれば、繰り返し拭くうちに傷が薄れピカピカになります。
革製品も汚れが落ちて新品のようにきれいになりますよ。

合皮にも使えるのでお手入れに活用してください。
ただし場合によっては色落ちする可能性もあります。

まずは目立ちにくい場所から拭き始めて様子を見てください。

落書き落とし


インクは乾くと洗剤でも落ちにくいですが、レモンの皮で擦るときれいに消えます。
リモネンの特性により油性マジックやクレヨンに含まれる油分が溶けるためです。

拭き取る時はリモネンが多く含まれる皮の黄色い方を下にして拭いてください。
もしくは皮の表面だけを削り落として水切りネットに入れて擦ってみてください。

ネットに入れた後によく揉むと皮からリモネンが染み出て効果が増します。
水切りネットに入れることで皮が周囲に散らず、後片付けも楽になります。

絵の具で固まった絵筆も熱したレモン汁に15分ほど浸けると柔らかくなります。
軟らかくなったら石けん水で洗って乾かしてください。

シミ落とし


レモンの汁でシミ落としもできます。
汗染みお茶赤ワイン口紅が服に付いたら試してみてください。

熱湯の入った洗面器レモン半個分の汁を混ぜ、シミの付いた衣類を入れます。

そのまま10分置いた後、通常通りに洗濯してください。

汚れがひどい場合は洗剤も少量入れて一晩浸け置きしましょう。
シミが付いている部分をよく擦ると、より落ちやすくなります。

浸け置きなしに洗濯機に洗剤と一緒にレモン汁を入れる方法もあります。

その場合はレモン汁を多めに半カップほど入れてください。
漂白作用もあり、洗濯物が真っ白になります。

シミは時間が経って乾燥すると落ちにくくなります。
ドライクリーニングは厳禁です。

できる限りすぐに対処することで衣類の傷みを軽減できます。

水垢おとし


酸性のクエン酸はアルカリ性の汚れを中和して拭き掃除を楽にしてくれます。
アルカリ性の汚れとは水垢石けん汚れのことです。

台所のくすみの原因で、放っておくと調理油などと混ざり更に落ちにくくなります。
そうなる前に水まわりを定期的に掃除して汚れが付きにくい状態にしましょう。

【水まわりの例】

・台所シンク
・トイレ
・蛇口
・洗面台
・バスタブ
・洗面器
・浴室鏡

蛇口周り浴室の鑑をレモンの皮で磨けば抗菌効果で清潔を保つことができます。

<準備と手順>

皮を使う方法

皮の白い部分でシンクなどをこすり、水で洗い流します。
仕上げに雑巾で乾拭きをしてください。

搾り汁を使う方法

繊維や種を除いたレモンの搾り汁に布かキッチンペーパーを浸します。
それを水垢が激しいところに張り付けたあと、しばらく放置して汚れをふやかします。
待ち時間は汚れに応じて変わります。
比較的キレイであれば10分、しつこい汚れであれば1時間は置いてください。
時間が経ったら、お湯を含ませた雑巾かスポンジで拭き掃除を始めます。


レモン果汁と水を混ぜた液体にスポンジを浸けて、そのまま磨いても大丈夫です。
ただ汚れを浮かせる方が格段に楽に落とせます。
汚れがひどい時は、レモンのスライスを直接あてて念入りに磨いてください。

いずれの場合も最後に洗い流すか水拭きを行い、酸が残らないようにしましょう。

湯垢の洗浄


水まわり掃除の応用として、丸洗いが難しい電気ポットケトルも掃除できます。
クエン酸は湯垢茶渋にも効果があります。

まずポットを水で満タンにして、次にレモンのスライスか絞り汁を入れ沸騰させます。
沸騰後は一時間ほど放置してください。
こうすることで内部のカルキ汚れを取り除くことができます。

お湯を捨てる時に注ぎ口から出すことでパイプ内も掃除することができます。
少し置いたらお湯を捨て新しく水を入れ直し、次は何も入れずに再沸騰してください。

茶渋落とし


クエン酸で急須コーヒーポットに堆積したミネラルも落とすことができます。

最初に急須に水とレモンの皮を少量入れて火に掛けます。
沸騰したら火からおろし、一時間置いた後に中身を捨てます。

最後にきれいに洗えば終了です。
コーヒーポットはスライスレモンと水を入れ、二時間ほど置けばOKです。

もう少し丁寧に掃除するには、ポットに塩と氷とレモンの皮を入れて振ってください。
1~2分振ったら中身を捨てて洗います。

どちらの方法も最後にすすいだ後によく乾かしましょう。

カップ湯呑の茶渋も鍋にカップを入れ上記と同じ手順で行えばキレイになります。
カップが一つの場合はお湯とレモン皮を入れてしばらく置いておくと良いでしょう。

レモン汁と同量の水を混ぜた液体を茶渋に塗って洗い流す方法もあります。
落ちにくければ塩を付けたレモンの皮で茶渋をこすり落としてください。

この方法はドリンクピッチャーデカンタ―にも転用できます。

排水管もきれいに


レモン果汁と重曹を排水溝に流すことで排水管の詰まりを解消することができます。
一時間後に熱湯を流すと効果がアップし、仕上げのすすぎにもなります。

水の流れが遅くなってきたと感じたら試してください。
化学薬品を使わないため、環境に優しく有毒ガスの危険性もありません。

殺菌・抗菌


クエン酸は酸性度が高いため、殺菌・抗菌作用を持っています。
肉や魚など生ものに触れる調理器具の除菌と消臭に役立てましょう。

特にまな板の殺菌と洗浄に効果的です。

まず半分に切ったレモンの搾り汁をまな板に塗り、表面をスポンジで擦ってください。
もしくはレモンのスライスをそのまま擦りつけてください。

その後に水ですすげば、抗菌まな板の完成です。
調理後に同じことを繰り返せば殺菌とシミ取りになります。

この方法は、まな板の材質を問いません。
木製でもプラスチック製でも可能です。

イチゴや生肉を切った後はレモンの前に粗塩を擦り込むとより効果的です。
しつこい汚れには果汁を掛けた後に20分から一晩置いて水洗いしてください。

最後に乾燥させれば清潔に元通りです。

これはゴミ箱の除菌にも応用できます。
1リットルのお湯にカップ1/2のレモン汁を混ぜてゴミ箱に入れてください。

応用してアクセサリーの消毒にも使えます。
レモン汁にピアスを数時間浸しておくだけで綺麗になります。

つや出し・曇り止め


レモンの皮でガラス金属を磨くと、つやを取り戻し曇り止めにもなります。
陶器銀食器を磨くのに最適です。

鍋の素材は銅・アルミニウム・ステンレス・スチール・クロムなど何でもOKです。
アンティークやブロンズ製の調度品のお手入れにも活用できますよ。

初めに、カットしたレモンに重曹か塩を付けて黒ずんだ部分を擦ってください。
重曹はベイキングパウダーでも構いません。

磨き終わったら約10分そのまま置いておきます。
最後にぬるま湯ですすいで、乾いた布巾で水気を拭き取ってください。

別の案として即席のクレンザーを作る方法もあります。

レモンの搾り汁と塩を混ぜたペーストを布に浸けて黒ずみに擦り込むように磨きます。
布の代わりに余ったレモンを使っても良いです。

ガラスコップの曇りを取る場合も、レモン皮に塩を付けて擦ってください。
レモン汁と水を混ぜた液に布巾を浸し、拭き掃除することもできます。

銀食器はレモン果汁を混ぜたぬるま湯と布巾を使って磨きます。
布巾を固く絞り、磨く前に少量のレモン汁を付けてください。

プラスチックケースにレモンを敷き詰め、一緒に入れて置いてもきれいになります。
どの場合も磨いた後はレモン汁を十分に洗い流し、水気を拭きとってください。

黒ずみ落とし


鍋の汚れは料理が焦げ付く原因になるため、定期的に磨きましょう。

鍋にレモン汁と塩を振り入れて擦るだけでメンテナンスができます。
スポンジの代わりに輪切りで擦るとクレンジング効果が増します。
キレイになったら水洗いするか、キッチンペーパーで拭き取ってください。

黒ずみが目立つ場合は先に熱でふやかすと落ちやすくなります。

汚れ部分が覆われるまで水を入れた鍋に輪切りレモンを投入して中火で加熱します。
加熱時間は20~30分ほどです。
その後にお湯を捨ててスポンジで磨いてください。

しかしリモネンの効果は油の分解であり、焦げ落としの効果は低いです。
あまりにも焦げ付きがひどい場合は重曹の利用をおすすめします。

一方で臭いシミを落とすのには優れています。

プラスチック容器に残る臭い灰皿に付着したヤニ汚れを落とすのに使えます。
レモンの皮と重曹入りの水に約3分ほど浸すと汚れが落ちやすくなります。

磨いた後は水ですすぎ十分に乾かしましょう。

エコ洗剤レシピ


レモンの皮を使ってオーガニック洗剤を作ることもできます。
一瓶あればこれまでに書いた掃除方法をいつでも行うことができて便利ですよ。

天然成分のみで作るので赤ちゃんのいる家庭でも安心です。
猫は柑橘系の臭いを嫌いますが、ペットが触れても害はありません。

傷んでいたり搾り終わった皮があればフリーザーバッグに入れて冷凍保存しましょう。
皮をストックしておけば繰り返し作れます。

レモンを大量消費したい時にもおすすめです。
ただ、可能な限り無農薬か低農薬のレモンをしてください。

使い切りクリーナーのレシピ


<材料>

水、またはお湯 500ml
レモンの皮 1個分
木製スプーン
ザル
スプレーボトル

<作り方>

細かくちぎったレモンの皮を水の入った鍋に入れて15分ほど煮てください。
この時、なべ底に焦げ付かないように木製スプーンで時々かき混ぜましょう。

そうすると次第に淡いオレンジ色の液体になってきます。
煮出し終わったら冷ました後にザルで漉して皮を除き、スプレーボトルに移します。

予めレモンの皮をすりおろしておくと沸騰したお湯に混ぜるだけで完成します。

<使い方>

スプレーボトルに移した液体は希釈することなく、すぐに使用できます。
ただし保存料無添加のため、その日のうちに使い切ってください。
重曹20gほど混ぜると洗浄効果が増します。

作り置きクリーナーのレシピ


使用期限を延ばすにはアルコールを追加します。
酢は色が付かないように穀物酢ホワイトビネガーを選んでください。

<材料>

レモン 1~3個
ホワイトビネガー 100ml~200ml
蒸留水 200ml~800ml
密閉容器(保存用の容器)

※容器の大きさに応じて分量が変わります。

<作り方>

瓶か密閉容器に輪切りレモンか千切った皮を詰められるだけ詰めて、酢を注ぎます。
それを直射日光の当たらない場所で10日から二週間ほど保管してください。

酢は砂糖(小さじ1)粗塩(200g)で代用することがもできます。

砂糖を入れて常温で置いておくとシュワシュワと発酵し始めます。
発酵は日持ちを良くするだけでなく、クエン酸とリモネンの効果を向上させます。

発酵期間は輪切りレモンであれば2~3日、皮だけの場合は少し長くなります。

<使い方>

出来上がった洗剤は原液です。
必要に応じて少量をスプレーボトルかバケツに移し、水と混ぜて使います。

発酵洗剤は10倍の水で薄めてください。
汚れがひどいところには濃いめに、1:1の割合でも大丈夫です。
希釈したら汚れに噴きかけ、固く絞った雑巾で拭き取ってください。

原液は冷蔵庫で保管し、2週間から1ヶ月で使い切りましょう。

食洗器用洗剤のレシピ


これまでの材料に乾燥仕上げ剤(約30ml)を入れると、食器洗い機に使えます。

レモンの輪切りと塩、酢、水、乾燥仕上げ剤をミキサーに投入し混ぜ合わせます。
次に鍋で15分煮たあと、しばらく置いて粗熱を取ります。

容器に移す前に表面に出来た膜を取るように掻き混ぜましょう。

1回につき大さじ2杯を目安に食洗器に使用してください。
残りは冷蔵庫に保存します。

注意点


酸性の洗剤です

大理石などの石材や一部のプラスチック製品には使用できません。
腐蝕して溶けます。

同じく塩素系洗剤にも近付けないでください。
混ざると有毒ガスが発生して非常に危険です。

・サビや変色を招くことがあります

使用後はきちんと拭き取ってください。
酸が残るとサビの原因になります。

塗装していない木材壁紙など、吸水性の材質への使用も避けてください。
付着した箇所が黄色く変色する恐れがあります。

・手肌が荒れます

皮膚に付いた状態で日光に当たると、かぶれやシミを引き起こします。
これはレモンの皮に含まれるソラレンという成分の影響です。

またリモネンも皮脂を分解して手指の乾燥を招きます。

掃除をする時は手袋を着用するようにしましょう。
肌に付いてしまった場合は十分に洗い流してください。

レモンの代用品


レモンを使った掃除に有効な成分は主にクエン酸ペクチンリモネンです。
つまり同じ成分を含む他の柑橘類でも代用可能です。

【柑橘類の例】

オレンジ
グレープフルーツ
文旦
ポンカン
ミカン
柚子
ライム

などなど、どれでもレモンの代わりになり得ます。
入手し易いもので行ってください。

食器洗いにはオレンジとグレープフルーツ


リモネンの油汚れを落とす作用は食器洗いに適しています。
これは皮が厚いオレンジなどの方がスポンジとして使いやすいでしょう。

また、柚子オレンジグレープフルーツリモネンの量がレモンよりも多いです。
特にグレープフルーツの汁に含まれる酵素は強力で、油性インクも簡単に落ちます。

エコ洗剤はミカン


温州みかんの皮は薄くて脆い上に洗浄能力も低いです。
そのまま拭き掃除に使うのにはあまり適していないかもしれません。

その代わり手頃で身近な果物で、皮をストックしやすいのがポイントです。
皮を乾燥して保存することで必要な時に取り出せます。

洗って干したミカンの皮は入浴剤になり、湯垢が落ちやすくなります。
灯油の臭いを消したり、ディスポーザーの掃除に使うこともできます。

皮が溜まったら洗剤づくりに活用しましょう。

エコ洗剤は複数の柑橘類の皮を合わせて作っても良い香りになります。
レモンの皮がない時はミカンライムレモンオイルを使ってください。

ミカンの皮で作るなら4個分で代用できます。
レモンオイルを使う場合は20滴ほど混ぜてください。


それ以外でも思わぬ食べ物で掃除ができます。

焦げ落としにはリンゴと梨


リンゴには、クエン酸と同じ有機酸であるリンゴ酸が含まれています。
特性も似通っているのでレモンの皮と同様に掃除に転用できます。

リンゴの皮と芯、酢で浴槽を擦り、一晩経った後に流すとツルツルになります。

または鍋にリンゴか皮と芯、水を入れて煮込んでみてください。
アルミ鍋や中華鍋の黒ずみが落ちやすくなります。

これは梨の皮でも行えます。

ツヤ出しにはバナナ


バナナの皮に含まれるタンニンにより、革製品を磨くとツヤが出ます。

バナナの皮の内側で繰り返し擦り、その後に乾いた布巾で拭き取ってみてください。
カバンソファのくすみが落ちますよ。

カバンは明るい色より渋い色味の方が巧く効果が働きます。

鏡の曇りにはジャガイモ


ジャガイモの成分サポニンには界面活性作用があり、汚れを包みこんで落とします。
更にでんぷん質が形成する皮膜により曇り止めにもなります。

手順は、水で濡らした鏡をジャガイモの皮の内側で磨き、タオルで拭き取るだけです。
何度か繰り返すうちに曇りにくくなります。

もう一つ、茶渋を落とす効果もあります。

茶渋の付いたものに少量の水とジャガイモの皮を5枚入れてシェイクしてください。
30回も振れば底がきれいになります。

ヤカン水筒のフタなど茶渋が溜まっている箇所は皮で直接磨きましょう。

漂白には大根


大根ジアスターゼという消化酵素成分に洗浄・漂白作用があります。
ジャガイモの皮と同じ要領で、ガラス製品を拭いてみてください。

皮でなく、大根おろしの搾り汁でも構いません。
グラスに光沢が戻りますよ。

大根おろしの汁は障子に塗ると、黄ばみを目立たなくします。
でんぷん質の溶けた茹で汁床拭きに役立ちます。

洗いにくい容器には玉子の殻


砕いた玉子の殻水筒に入れて振ると、底の方をキレイにすることができます。

これは、卵の殻が研磨剤の役割を果たすためです。
大型のグラスビンジューサー花瓶など、底の深い容器の洗浄に役立ちます。

殻をできるだけ細かく砕き、洗剤も入れれば効果が増します。
殻を砕くにはミキサーを利用すると効率的です。

砕いた後は、そのミキサーもこの方法で荒いましょう。

漂白剤づくりには灰


実はでもエコ洗剤を作ることができます。

ただし。使える灰は紙や木を燃やしたものだけです。
特に元が硬材で真っ白に燃え尽きた灰であれば良質な洗剤になります。

一方で肌には悪いため、作業時はゴム手袋やゴーグルを着用のもと行ってください。

最初に灰をふるいにかけて塊を除き、サラサラにします。
そのあと、アルミ製以外の容器に熱湯と灰を5:1の割合で入れて混ぜてください。

完全に混ざったら布などで覆い、そのまま2日ほど置きます。
その間も時々は混ぜてください。

最後に、布を敷いたザルの上に灰汁を注ぎ漉したら完成です。

出来を確かめるために玉子をそのまま浮かべてみてください。
玉子が沈んだら灰が足りない証拠です。
仕上げに少し調整してください。

この洗剤はヌメリが強いほど強力です。
密閉できるガラス瓶などに移し保管してください。

それからこれは原液です。
水で薄めてから使いましょう。

洗浄力アップには酢と重曹


締めは定番のお酢重曹です。
柑橘類の皮で作る洗剤に酢と重曹を足すと洗浄効果が上がります。

掃除に使用する酢は色が付かないように、ホワイトビネガー穀物酢にしましょう。

作った洗剤は淡い黄色からオレンジ色になるまで10日ほど置きます。
それを皮が入らないように漉して別の便に移し替えます。

掃除する時は使いきれる量をスプレーボトルに入れてください。
汚れの付いた衣類に噴きかけてから洗濯するとシミが落ちやすくなります。

重曹は水と混ぜて作ったペーストがクレンザーになります。

まず熱めのお湯に布巾を浸して絞り、電子レンジやオーブンを満遍なく拭きます。
次いで先ほどのペーストを庫内に塗ってください。

それを一晩置いて水拭きすればお終いです。

まとめ


ここまでに書いたものの他にも、

陶器
ホーロー・アルミ類
象牙製品
ピアノの鍵盤
ティーポッド
ホットプレート
ディスポーザー

なども、レモンの皮に少し塩を付けて磨けばきれいになります。
仕上げに必ず湿らせて固く絞った布巾で拭き取ってください。

レモンで冷蔵庫電子レンジの庫内を掃除すると脱臭効果が得られます。
フライパンを磨くと油切れが良くなり、炒め物の後もしっかり取れます。

普段から意識的に皮や種をフリーザーバッグに入れて冷凍するようにしましょう。

使いきれない分は煮込んで洗剤にしてください。
煮た後の皮も拭き掃除に使えます。
徹底的に活用してから捨ててください。

しかし、掃除を楽にするために日ごろから使い方に気を付けることも大切です。

レンジは噴きこぼれを防ぐために加熱しすぎないようにしましょう。
冷凍食品は袋に加熱時間が書かれているので指示に従ってください。
ラップは蒸気の逃げ場を作るためにフワッとかけます。

また、使用後に必ず庫内を拭く習慣をつけることも大切です。

皿洗いの後、お皿を拭いた布巾で仕上げに電子レンジの中も拭いてください。
近くにキッチンペーパーを置いておくと汚れに気付いたときにすぐに拭き取れます。
電子レンジの側に布巾を置いておくのも手です。

食器洗いには「びわこふきん」を使用すると洗剤入らずです。

掃除をする時は光を反射するものを磨いておくと部屋全体がきれいに見えます。
ガラスや台所のステンレスがキラキラしてるいるだけで新築と錯覚します。
室内も心なしか明るくなりますよ。

レモンを使った掃除は環境に優しく、節約にもなります。
是非、試してみてください。