レモンゼスターの使い方とレモンゼストの代用品

ウィークエンドシトロンに不可欠なレモンゼストは意外と準備が面倒です。
一方で専用の道具さえあれば嘘のように簡単に作ることができます。

今回は、その道具の使い方から余ったゼストの保存方法までを一挙にお伝えします。




農薬に気を付けて


まずは使用するレモン選びが重要です。
皮を使うので表面に有害物質が付着していては危険です。

国産の無農薬を選び、十分に洗いましょう。
洗い方については以下の記事を参照してください。

【関連記事】 レモンの皮の農薬の落とし方 ※ただし国産に限る

おろし器の種類


レモンの皮をすり下ろす道具にはおろし金グレーターゼスターがあります。
グレーターは西洋版おろし金で、ゼスターはレモンゼスト専用のおろし器です。

更にゼスターの形状は細長いものフォーク形の二種類があります。
初心者にはフォーク型の方が扱いやすいかもしれません。

個人的におすすめなのはグレーターです。

四面チーズグレーターであれば、面によって薄切りや極細など仕上がりを調節できます。
細かいほどレモンの精油が滲み出るため、料理に香りを染みこませることができます。

ゼストの細さは四面グレーターを頂点に、ゼスター<おろし金<包丁と粗くなります。
チーズグレーターは粉チーズ作りを想定しており、最も細かくすり下ろせます。

いずれも100均で入手できますが、料理好きの間ではマイクロプレイン製が人気です。
マイクロプレインはレモンの皮だけでなくチョコレートなどを削るのにも重宝します。

ゼスターの使い方


まな板の上に構えたゼスターにレモンを当てて上下に擦ります。

この時に動かすのはレモンを持っている方の手です。
ゼスターは動かないようにしっかり持ってください。

また、中果皮が混ざらないようにレモンをよく見ておきましょう。
白い部分が見えたら向きを変え、黄色いところだけを削ります。

ピーラーでもOK


専用のおろし器がなくてもピーラーでむいた皮を包丁で刻むというやり方もあります。
本来はレモンピールを作る時の作業で、それよりも薄くむけばゼストになります。

と言えば簡単ですが、初心者にはおすすめできない方法です。
というのも、表皮だけを剥くのは力加減が難しくテクニックを要するためです。

ゼストのサイズも大きめになるので料理によって使い分けてください。
細かくしたい時はフードプロセッサーにかけるみじん切りにしましょう。

注意事項


使うレモンは果汁を絞った後のものでも構いません。

ただし、レモン一個分をすりおろすにはカットしていないものの方が良いでしょう。
事前にレシピの分量を確認してください。

道具がない時はドライレモンを砕いて代用品として使うこともできます。
反面、柑橘類は乾燥させると香りがやや逃げてしまうのが難点です。

レモンゼストの代用品6選


レモンの香りが重要な料理においては、おろしたばかりのゼストが必要です。
しかし、様々な理由から準備が億劫な人もいるでしょう。

・すり下ろすのが面倒
・大量のレモンゼストが必要
・ゼスター(専用のおろし器)を持っていない
・国産レモンが手に入らない

次に、こうした事情を解決する「ゼストの代用品」についてご紹介します。

レモン汁を増やす


柑橘類は果汁よりも皮の方が芳香が強いため、搾り汁で代用するのは難しいです。
単純に果汁の量を増やすしかありません。

しかしそうすると、酸味が上がるばかりか料理に汁気が出てしまいます。
ドレッシングのような液状のレシピ以外には適さないかもしれません。

一方で、ゼストを利用すれば香りだけを高めることができます。

逆に酸味を出したい時は絞り汁を足してください。
皮を下にして絞ると皮に含まれる香り成分も一緒に得ることができます。

ただし、この絞り方は表面のワックス農薬も混ざってしまいます。
実践する時は十分に洗った国産のレモンを使用してください。

業務用ゼストを買う


国産レモンが入手困難になる夏場や、国産の値段に尻ごみしている人におすすめです。

ただ、ゼストはスーパーには売っていないためネット通販になります。
また、冷凍で届くので必要分を取り出すのが厄介で扱いにくいかもしれません。

内容物は国産かシチリア産の果皮で、未開封であれば二年ほど持ちます。
開封後は小分けにしてラップで包むか、ジップロックに入れて冷凍保存してください。

問題は業務用に付き物の量の多さです。

ポッカの業務用は一袋で300~500g×10袋と、かなりのボリュームです。
レモン1個分の皮が約5gとすると、一袋で約60個分に相当します。

因みに1個の皮でシフォンケーキ2台分の風味付けができます。
ということは、業務用を使い切るには80回もケーキを焼かないといけない。

もちろんケーキ以外の用途もありますが、それほどレモンの香りを必要としますか?
使いきる自信がなければ楽天クオカで少量の商品を探してください。

もう一つ、市販のレモンゼストは生菓子には使用できません。
解凍すると水っぽくなることがあるからです。

どうしても使いたい時は解凍後に十分に乾燥させましょう。

市販のレモン果汁を使う


市販のレモン果汁の中では「プルコレモン」の評判が良いです。
ゼストも入っている濃縮果汁で香り高く、使い道が豊富です。

しかし皮に含まれる精油成分により、えぐみを感じるというレビューがありました。
それでも焼き菓子の生地に混ぜれば問題はないと思います。

レモンチョコが見つからない時に、ホワイトチョコに混ぜるといった使用法もあります。
追加で生のレモン果汁と一緒に少量入れると香りが倍増しますよ。

反面、デメリットもあります。

・海外の商品なので内蓋(液だれ防止キャップ)がなく、ドバっと出てくる
・容器が大きく場所を取る
・皮が底に沈殿しているので、使う前によく振る必要がある
・酸味が強いため入れ過ぎに注意

扱いにくい場合は別の容器に移し替えてください。
小型の醤油さしに入れて食卓に置けば焼き魚やフライに掛けやすくなります。

逆にメリットは酸性度が高いことで開栓後も長持ちするところです。
なかなか減らない時は製氷皿に入れて冷凍すると良いでしょう。

古くなっても銅鍋の焦げ落としなど掃除に転用できます。

ただ素材によってレモン果汁が付着すると錆びるものがあるので気を付けてください。
汚れを拭き取ったらすぐに水ですすぎましょう。

レモンピールを混ぜる


ピールも通販で購入できますが、加工方法がドライセミドライに分かれています。

洋酒漬けされていることも多いため、人によっては甘すぎると感じます。
ケーキの生地に混ぜる場合は砂糖の量を調節してください。

レモンオイルで糖質カット


果糖を制限したい人はレモンオイルレモンエッセンスの選択してください。

これらはバニラオイル、バニラエッセンスの代用として使うことも可能です。
あるいはバニラとレモンを1:1で合わせるのも良いでしょう。

レモンオイルはレモンエッセンスよりも香りが強いため、使用量を加減してください。
あまりにも少ないと香りがしませんが、後味がスッキリします。

注意点はネット通販では(稀に)消費期限の迫った商品が送られてくることです。

バニラオイルよりもマイナーなため在庫の回転率が悪いのでしょうか。
すぐに使い切れるものではないので、いざとなったら捨てることも覚悟してください。

また、オイルは液体に垂らすと分離します。
ドリンクに香りをつけたい時はレモンエッセンスを使用してください。

ハーブの香りでごまかす


肉料理やスープであればレモンに似た香りのハーブが使えるかもしれません。
あの芳香の元となる成分、リモナールかシトラールを含むものであれば大丈夫です。

例えば、レモンバーベナレモングラスレモンバーム(メリッサ)などがそれです。
バジルタイムにも似た香りのする品種があります。

焼き菓子であればベルガモットオレンジゼストを使ってみましょう。
そのほか、ピスタチオなどナッツ類を入れて風味を足すこともできます。

そのほか


ここまで書いた以外にも、レモンペーストレモンパウダーで代用することができます。
ただし購入場所がかなり限定されるので割愛しました。

ヨーグルトのトッピングにはマーマレードレモンシロップでも補えます。

糖分が気になる時はエッセンスを選んでください。
レモンシロップは、水で希釈すればレモン水としても楽しめます。

料理に合わせて代用品を変えてみてください。

レモンゼストの保存方法


すり下ろしたらすぐに使うのが一番ですが、余ってしまうこともあります。
捨てるのは勿体ないので、冷凍したり料理以外の用途に使ってみましょう。

冷凍する


ラップに包むかジップロックに入れて凍らせれば、約6か月は保存できます。
ラップで包むときは、重ならないように広げて置くと後で使いやすいです。

柑橘類の皮は掃除にも活用できます。
ミカンやオレンジの皮も、捨てずに冷凍しておくと便利ですよ。

粉末にする


ベーキングシートを敷いたバットトレーにゼストを敷き詰めます。

この時も重ならないように広げるのがポイントです。
フォークを使って平らにならしましょう。

キレイに敷き詰めたら、そのまま室温二日間ほど置きます。
目の細かいゼスターで小さく薄くすりおろすと乾燥を早めることができます。

完全に乾いたら、零さないようにペーパーを畳みながらゼストを小さく砕きます。
ブレンダーを使用すると粉末になります。

ゼストのフレークは空気に触れないように冷凍庫へ入れてください。
乾燥しているため冷蔵でも構いません。

乾燥状態を保つには、湿気や熱、虫を避けるために密閉容器に移します。
真空パックかタッパーに入れ、表に作った日付を書いておきます。

取り出す時は濡れ手で触れないように気を付けてください。
ゴム手袋を使用すれば衛生的にも安全です。

他のドライフルーツと混ぜあわせて、パンやケーキ用の洋酒漬けにするのも良いですね。

塩漬けにする


ゼストを塩や胡椒に混ぜるのも湿気対策の一つです。

同時に、レモンソルトレモンペッパーといった調味料にもなります。
市販の「ジェイコブセンソルト」を購入するよりも自分で作った方が安上がりです。

作った調味料は肉や魚の旨味を引き立たせ、ドレッシング作りにも使えます。
塩味と酸味とゼストの食感は、鶏肉やサラダと相性が良いです。

塩レモン以上に応用がきくので、ぜひ試してみてください。

ジャムに入れる


マーマレードも良いですが、他の果物ジャムにゼストを混ぜても美味しくなります。
好みは分かれるかもしれませんが、一つのジャムで二つの味を楽しむことができます。

鍋で煮込む前に水にさらすとレモンの皮の苦味が落ちますよ。
また、ジャム瓶に入れることでゼストの保存と使い切りに繋がります。

ライムチャツネとも合います。
手作りジャムやチャツネを作る際は、煮込む段階で砂糖と一緒に鍋に入れてください。

バスボムを作る


バスボムの材料にすれば「レモン風呂の素」になります。

ただし、皮に含まれる成分は肌によくありません。
事前に皮を手首の内側に乗せてパッチテストを行ってください。

また、レモン風呂に入った後に日光に当たるとシミの原因になります。
異常がなくても昼間の入浴で使用するのは避けましょう。

果肉と果汁も保存


同じ理屈でゼストを採った後のレモンも砂糖漬けにすることができます。

この場合も、まずは白い部分(中果皮)が入らないように取り除きます。
その後に5ミリほどの厚さにスライスして、密閉容器の底に重ならないように並べます。

その上にレモンが見えなくなるまで砂糖を覆い、再びレモンを並べます。
そこへまた砂糖を掛け…という繰り返しをスライスが無くなるまで続けてください。

最後にしっかり栓をして、冷蔵庫に一晩から二晩ほど置いたら完成です。

レモンの搾り汁は製氷皿に入れて凍らせて保存します。
これはチキンストックなど出汁の保存方法の応用です。

製氷皿に入れたままよりも、空気に触れないジップロックへ移した方が長持ちします。
レモンの保存はゼストと果肉、果汁を分けた方が管理も容易になります。