ワーミー4の代用アダプターで故障を防ぐ!AC-AC電源の仕様と代替品ロードマップ

デジテック(DigiTech)を代表するピッチシフター「Whammy(ワーミー)」。中でも中古市場で広く流通している「Whammy 4(ワーミー4)」は、現代のエフェクターとは全く異なる特殊な電源仕様を持っています。

手持ちの一般的なアダプターを適当に接続すると、音が出ないだけでなく、内部基板に修復不可能なダメージを与える原因になります。

この記事では、電気的な仕組みをふまえ、安全にワーミー4を駆動させるための代用方法と、適合する電源の選び方を解説します。

【結論】ワーミー4の代用電源選びは「AC-AC(交流出力)」が絶対条件

ワーミー4(および初代から4代目までのモデル)を動かすための絶対条件は、「AC9V(交流9ボルト)」かつ「1.0A(1000mA)以上」を出力できるAC-ACアダプターを使用することです。

  • 一般的なエフェクター用電源: コンセントの「交流(AC)」を「直流(DC)」に変換して本体へ送る(DC9V・センターマイナスなど)

  • ワーミー4の電源仕様: コンセントの「交流(AC)」を「交流(AC)」のまま、電圧だけを9Vに下げて本体へ送る

エフェクターボードでよく使われるDC9Vのアダプターやパワーサプライをワーミー4に接続しても、内部の回路が必要とする交流信号が得られないため動作しません。さらに、許容電圧や極性の違いによって、本体内部の保護素子やICチップが異常発熱し、回路が完全に焼き切れる危険があります。

代用電源を探す際は、出力スペックに「DC」ではなく「AC 9V」または「9V AC」と明記されていることを確認してください。

歴代DigiTechワーミーの電源仕様比較

歴代のワーミーシリーズは、世代によって電源仕様が大きく異なります。所有しているモデルの仕様を以下の表で確認してください。

モデル名入力電圧・極性必要電流(容量)純正アダプター型番(※すべて生産完了)代用難易度
Whammy 1 (初代)AC 9V800mA以上PS0913B高(AC-AC電源が必要)
Whammy IIAC 9V800mA以上PS0913B高(AC-AC電源が必要)
Whammy XP (XP100等)AC 9V800mA以上PS0913B高(AC-AC電源が必要)
Whammy 4AC 9V800mA以上(推奨1.3A)PS0913B / AC0913B高(AC-AC電源が必要)
Whammy 5DC 9V (センターマイナス)265mA以上PS0913DC低(一般的なDC電源で動作)
Whammy DTDC 9V (センターマイナス)288mA以上PS0913DC低(一般的なDC電源で動作)

最新の「ワーミー5」や「ワーミーDT」は一般的なDC9Vで動く仕様に変更されましたが、「ワーミー4」以前のモデルはすべてAC9V駆動です。

純正アダプター「PS0913B(AC0913B)」のスペックと現状

デジテック純正のAC-ACアダプター「PS0913B(またはAC0913B)」のラベルに記載されている一次仕様は以下の通りです。

  • 入力(INPUT): AC100V 50/60Hz

  • 出力(OUTPUT): AC 9V 1.3A (1300mA) または AC 9V 1.0A (1000mA)

  • 端子形状: 外径5.5mm / 内径2.1mm(※仕様により内径2.5mmの場合あり)

【注意】メーカー純正品・定番代替品はすでに生産完了

2026年現在、DigiTech純正の「PS0913B」および「AC0913B」は、メーカーによる新規生産が終了しています。

また、かつて定番の代替品として使われていたElectro-Harmonixの「EH4919」(AC9.7V 820mA)や、LINE6の「PX-2」(AC9V 2000mA)も市場での新規入手が非常に困難です。そのため、現在は中古品を探すか、現行の汎用パーツや他用途のアダプターから適合するものを選ぶ必要があります。

安全にワーミー4を動かすための3つの代用ルート

純正アダプターが手に入らない場合に、安全性を確保しながらワーミー4を駆動するための具体的な方法です。

ルート1:仕様の一致する汎用AC-ACアダプターを導入する

電子部品専門店などで販売されている、産業用や他機器用の「AC-ACトランス式アダプター」を流用する方法です。

  • 適合基準: 出力仕様が「AC9V」、電流容量が「1.0A(1000mA)以上」のもの。

  • 端子のサイズに注意: AC-ACアダプターには、プラグのサイズが「外径5.5mm / 内径2.5mm」のものが多く存在します。ワーミー4のジャック(内径2.1mm)に接続しようとすると、ピンの太さが合わず物理的に奥まで挿入できません。無理に挿し込もうとせず、必要に応じて「内径2.5mmから2.1mmへの変換プラグ」を中間に挟んで接続してください。

ルート2:AC9V出力に対応したマルチパワーサプライを採用する

複数のエフェクターを同時に使用する場合は、独立したAC9V出力端子を持つマルチパワーサプライを導入するのが最もスマートです。

  • 適合機材の例: TRUETONE「1 SPOT PRO CS12」など、独立した「AC 9V」の専用ポート(1000mA供給可能)を搭載しているパワーサプライ。

  • メリット: 電源由来のノイズを抑え、足元のコンセントを1つにまとめられます。

  • デメリット: 導入コストがかかります。

ルート3:自作・電子工作による電源確保は避けるべき

「トランスを購入してAC-AC電源を自作すれば安く済む」と考えるかもしれません。しかし、家庭用コンセント(AC100V)の一次側を扱う自作電源は、わずかな絶縁不良や設計ミスがショート、発煙、最悪の場合は建物の火災につながります。

電気用品安全法(PSE)の適合基準を満たしていない自作の電源装置を日常的に使用することは、安全管理の観点から推奨できません。

購入時の注意点:「AC-DC」表記に騙されないこと

ネット通販等で「AC9V アダプター」と検索してヒットする安価な海外製アダプターには、大きな注意が必要です。

商品タイトルに「AC9V」と表記されていても、仕様の詳細欄を見ると「出力:DC9V(直流)」となっている製品が数多く存在します。

必ず製品本体のラベルまたは仕様書を確認し、出力(OUTPUT)の横に「AC 9V」または「〜(交流を示す波線マーク)」が印字されている製品を選んでください。直流を示す「DC」や「⎓(直線と破線)」のマークがあるものはすべて適合外です。

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